品種について

☆ 人類はかつてサルであった時代から、毎日食べ続けています。今日の文明社会では,ほとんどの人達が自分で食糧を生産することなく他の人達の作ったものを食べ、自分は食糧生産以外の活動に従事しています。これはごく最近の現象であり,人類は長い間食べ物を自分達の手で確保することこそが主な仕事でした。

☆ 約1万年前に,世界各地で植物を自分たちで栽培する「農耕」が起こり,そしてそこで多くの古代文明が成立しました。以来人類は長い時間をかけ,野生の動植物を改良発展させてきました。英語で“カルチャー”と聞くと「文化」で、芸術、美術などを思い浮かべますが、もともとの意味は「耕す」ことで、栽培も培養も養殖も英語では「カルチャー」、そして品種は「カルティバー」です。

☆ 日本語では「品種」と言う言葉は、同一種の農作物や家畜の中で、遺伝的に特定の形質を同じにするものを広く呼ぶのが普通です。

☆ 生物学や植物学で使われる「種」(英語でspecies)を現す言葉は幾つかあります。例えば野生種(wild species), 変種(variety), 栽培品種(cultivar), 品種(form)、亜種(subspecies)などです。オリーブの書籍や文献を見ているとバラエティーとカルティバーの二つが最も多く使われています。

☆ 生物の分類に従うと、我々がオリーブと呼んでいる植物は、植物界に属し、その中の被子植物で、真正双子葉類でキク類に属し、シソ目の植物です。その目の中のモクセイ科でオリーブ属に分類され、種の名前は、olea europaea(ヨーロッパのオリーブ)と呼ばれるものです。

☆ その正式の学名は、Olea europaea L. と記載されますが、これは国際的に認められた名前ですので、植物輸出入などの時にも用いられます。

☆ 最近の科学技術の進歩で、遺伝子レベルでの解析が可能となり、遺伝資源ジャームプラズム(germplasm)という言葉でより正確に栽培品種を分類できるようになりました。